理想のタイプがハッキリしません。

ハッキリしないとダメでしょうか？

いきなり恋愛対象の話をするよりも、「友達」について思い起こしてみてください。

あなたは、幼稚園、小学校、中学校・・・と成長する過程で、たくさんの組織に所属してきましたよね？

私の学生時代は４０人クラスが当たり前でしたが、最近はもっと少人数のクラス編成になっているそうですね。

それはともかく、私たちはそのクラスがもしも５人しかいなかった場合、５人みんなそこそこ仲良くするのでしょう。

しかし、３０人４０人となるとみんな仲良しというわけにはいきません。
好きな人もいれば嫌いな人も出てきます。
いずれなんとなく仲の良い友達グループができ、その中から「親友」と呼べる人が現れたりします。

このことからも分かるように、少人数のグループの中では比較する対象が少なすぎて、好きな人や嫌いな人が生まれにくく、大人数になるほど、好き嫌いが明確になるのでしょう。

恋愛も同じで、少ない出会いの中では、比較する対象も少ないので、自分の理想が思い描けないのです。

ですから、会社と自宅を行き来するだけのような生活よりも、趣味や習い事などを通じてよりたくさんの人と出会いう方が、自然に理想のタイプが生まれやすいのです。

人間は頭の中でいろいろ思い描いているだけでは整理がつきません。

試しに理想の相手を思い描いてみましょう。

・・・それができないから悩んでるんでしたよね？

そうなんです。
頭の中だけで思い描こうとするからハッキリしないんです。

一度、頭の中にあることをアウトプットしてみませんか？
アウトプットする方法にはいろいろあります。

文章にする、絵に描く、話す・・・

どのアウトプット方法が良いかはその時々なのですが、私がここでお勧めしたいのは「話す」です。

人に話をするとき、私たちは自分の思ったことを相手に理解してもらいたくて自然に整理しながら話しますよね？

「この間のコンビニの店員さんがタイプでね・・・」
だけではどのあたりが好みのタイプなのか伝わりませんから、

芸能人のあの人に似て・・・
目のシュッと切れ長なところが・・・
顔はタイプじゃないんだけどこんな風に優しくしてくれて・・・

といった感じで話しているうちに、自分の好みや心地よかったシチュエーションが整理されるんです。

理想のタイプをはじめから意識するよりも、こんな他愛もない恋バナ（にもなりませんが）から始めてみるとよいでしょう。

ここまで、理想のタイプをハッキリさせるための方法についてお話してきましたが、ハッキリさせ過ぎると世界を狭めます。

私は若いころ、２年間だけ子供服の販売員をしていました。

私の勤めていたお店は、七五三やピアノの発表会といった晴れの舞台に着る衣装を購入するお客様のおかげでよく繁盛していました。

お客様はもちろん子供・・・

ではなくてその親御さんなのですが、ほとんどのお客様はご来店時にハッキリとした衣装のイメージを持っていません。

タキシード風・・・とか
ピンクのワンピースでフリフリした・・・とか
ピカピカした靴・・・

といった感じです。
これがいいんです！

私たち販売員がそのお客様のフワッとしたイメージに合いそうなものをご案内すると、皆さん目を輝かせてご試着なさいます。
その結果、もちろんご満足いただけないこともありますが、ほとんどの方は最終的に大満足のお買い物をして帰られるのです。

でも、あまりにもこだわったイメージをもってご来店された方はそうはいきません。
所詮、既製品は既製品ですから、１００％イメージ通りの服はオーダーメードで作りでもしない限り存在しないのです。

これ大事です。

あなたがこれから婚活をして結婚しようとしているお相手は、あなたの知らない世界で育った「既製品」です。
お相手にはお相手の人生があり、その中で性格や人相が形成されてきたわけで、その人生の先にあなたとの出会いをイメージしてオーダーメイドで作られた方ではありません。

であれば、あまりにこだわったイメージをもって婚活をしたところで、そのイメージに１００％ピッタリのお相手は存在しないのです。

ここだけは譲れない幾つかの条件は大切に、それ以外の部分はお見合いや交際をする中で少しずつお互いが寄り添いあって馴染んでいくものだと思います。

それは、「既製品」の洋服が、長年着るうちにまるでオーダーメイドで仕立てた服のように体に馴染んでくる・・・

例えるならそんな感じでしょうか。

ところで、前出の子供服のお店で「既製品」のお洋服を購入されたお客様方は、何故みんな大満足して帰られたのでしょうか？

それは、お店にたくさんのお洋服をそろえてあるからです。
そして、教育を受けた店員がお客様のお好みを的確に汲み取り、そのお好みに合ったお洋服をご試着いただく。
もちろん店員はお客様のサイズも外見から判断できますから無駄な試着が減りますよね。

試着したけど着心地が悪いとか、店員から見て色味の顔映りが悪いとかいったものはしっかりアドバイスしながら排除していく中で、お客様にお似合いの一着が決まるのです。

その工程が最終的にお客様に大満足の品を提供できていたということなのでしょうね。